藤倉山の概要
藤倉山は山形県鶴岡市三瀬(サンゼ)地区に位置し、標高654Mの山で「やまがた百名山」に選定されている。日本海近く三角錐の山容を持つ藤倉山は、冬には厳しい季節風に晒され、特に、西側は亜高山帯の様相を呈す。
山頂一帯は、ブナを主とした落葉広葉樹に覆われ、春はカタクリ、イワウチワ、イワカガミが咲き新緑が美しく、秋の紅葉には中尾峰の五葉松が彩りを添える。
自然が豊かで、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、クマタカなどが棲み、この山を水源とする川は三瀬地区の農水産業を支える。
北側は冬に雪の着かない急峻な岩稜で、登山コースの東側の獅子畑(シシハタ)ルート、西側の二口(フタクチ)ルートとも一部に急勾配の登りを強いられるが、コースの登山道は藤倉山ブナ林保存会によって、道標も完備し、通年よく整備されている。2つの登山口には駐車場がある。
山頂や尾根からの、日本海、鳥海山、庄内平野、月山、朝日・飯豊連峰、摩耶山などの眺望は素晴らしい。気象条件の良いときは、北は男鹿半島、南は佐渡ヶ島が見えることもある。
昔から信仰の山として山頂には祠が祭られ、また、以前から小学校の親子登山、住民登山として親しまれている。
獅子畑登山口の近くには、鶴岡市の天然記念木「大杉」や大正ロマン遺跡・石組み「床止め」群があり、訪れる登山者を楽しませる。
5月には開山祭、11月には閉山祭があり、多数の登山者を歓迎している。